【対談】(一社)ハイコラ代表 杉山めぐみさん x まちのおやこテーブル ヨーコ
「子育ては地域で 社会全体で」をコンセプトに子育て世帯を応援する活動を世田谷区や杉並区で展開されているハイコラさん。ある企画を胸にご相談がてらお話を伺いました。
ヨーコ:「阿佐ヶ谷ファン倶楽部」という阿佐ヶ谷の暮らしについて投稿が集まるFacebookグループがあるのですが、ある投稿をきっかけに小さい子どもと行きやすいお店を可視化することができないかと考えています。
その投稿は、3ヶ月のお子さんを連れて安心して外食できる場所はテラス席がある阿佐ヶ谷パールセンター商店街の上島珈琲店しか知らない。他に良いお店を知らないか、というものでした。
私の子どもは小学生になりましたが、子育て真っ只中のときまさに同じ思いを持っていました。お店に入ると迷惑そうな顔をされたり、子どもがカトラリーを床に落としていたたまれなくなったり。それで、子ども*のための空間をお店の中に作ることを通して、子どもと大人が同じ場所で一緒に過ごせるまちを目指すインクルージョン・プロジェクトsumicco(すみっこ)を国分寺で行ったことがあります。その時の経験やステッカーを活用して、小さい子どもと行きやすいお店を可視化できないかと考えています。
*主に1歳から6歳の子ども
ハイコラさんはベビーマップを作成されています。赤ちゃん連れの方がお出かけしやすい場所を可視化する取り組みだと思うのですが、動き回る乳幼児だからこそ、一緒にお店に入りづらいという悩みもあると思います。子育て中の方のニーズやお店の方のニーズはあると思いますか。
杉山:ご自身のお子さんは小学生ということですが、敢えて乳幼児向けの取り組みをしたいということなのでしょうか。
ヨーコ:はい、そうです。私は国や自治体向けのコンサルタントでもあるのですが、これからの社会のあり方や今の教育課題、教育格差などについて考える機会があり、乳幼児期をどう過ごしたかがその後の人生にどれだけ重要かということを気づかされました。また、脳科学の知見に触れる機会もあるのですが、6歳までに脳の9割が形成されると聞いて改めて、単純な子育て支援の問題ではなくこれからの社会をどう作るかという観点で、乳幼児期の子ども達を包摂する社会を作る必要があると感じています。
杉山:なるほど、ありがとうございます。乳幼児期を対象にする取り組みは事業成果が出るのに時間がかかるので、想いを伺いたかったのです。
ご質問のマップについてですが、世田谷と高円寺で「おむつ替えMAP」を作りました。お店からマップに載せてほしいという依頼は一度も受けたことがありません。どちらかと言えば、ママライターによる取材などでお店に伺った際に載せませんかと声をかけます。つまり、自分達でアプローチしてMAPに掲載しているのが実情です。他方、テイクアウトできるお店を可視化するサイトを作っているのですが、こちらにはお店から載せてほしいというリクエストが寄せられており、お店のニーズの違いを感じました。
ヨーコ:子育て中の方のニーズはいかがでしょうか。
杉山:おむつ替えMAPと言いつつ本当におむつ替えスペースがあるお店は20軒に1軒くらいで、残りはベビーカーでお店に入れる、ミルクを作るお湯がもらえるという情報が主な掲載内容です。それでも、食い入るように熟読されるんです。子育て中の方のニーズはすごくあると思います。
ヨーコ:sumiccoの時はおもちゃと絵本コーナーを設置することを前提にしていたのですが、投稿をきっかけにモノの有無ではなくココロを可視化したいと思うようになりました。子どもとお店に入ることを歓迎してくれて嫌がられないお店が簡単に分かる、そういうお店をまちに暮らす人が応援する、そんな仕組みです。
杉山:親子をウェルカムしたくても、むしろ迷惑しているお店が多いことも事実です。マップを作って分かったのですが、飲食店なのにペットボトルやお弁当を持ち込んで広げるお母さんがいます。せめて1品は頼みましょうとMAPに注意を書かざるを得なくなりました。まちに優しくしてもらいたいなら、お母さんの側にも子連れマナーを考えていただく事が必要だと思います。
ヨーコ:その通りだと思います。まちのおやこテーブルではモンテッソーリ教育の先生が創設メンバーにいらしたこともあり、親だけでなく子ども自身に公共マナーをちゃんと伝えることを大事にしています。可視化する取り組みをする時は、子育て中の親のニーズを汲み取りつつ、お店の困りごとも上手に親子に伝えることで、両方の橋渡しをしたいですね。
杉山:本当ですね。私たちはMAPを紙で作っているのですが、それにはこだわりがあります。紙だとお父さん・お母さん以外の地域の方が手に取る機会があります。また、商店街のお店に関わることなので、企画の最初と終わりには必ず商店街の会長にご挨拶にお伺うのですが、商店街がお母さんを受け入れる体制が整っていないことを問題提起するきっかけになります。地域の重鎮の皆さんとの意見交換会をすることもあります。
授乳スペースがなくて困るなどのお母さんの困りごとを伝えると、そんなに頻繁に授乳が必要とは知らなかった、そんなことで困っているならと洋品店が試着室を授乳に使って良いと言ってくださったり、座敷ならOKとしてくださるなどアクションにつながったこともあります。立場が異なると悪気はなくても認識の差があるのでその差を埋めるきっかけを作っている自負があります。
ヨーコ:私たちは国分寺で老人会など高齢の方の団体に複数箇所アプローチしたことがあるのですが、けんもほろろに断られました。ニーズの違いがあまりに大きく壁を感じたのですが、どのように関係を構築されているのですか。
杉山:地域を作っていらっしゃる先輩方のお困りごとを解決することで、コミュニケーションを図っています。例えば、朝の掃除をしているのに若い世代がこない、チラシを作っても反応がないなどのお困りごとで私たちができることをお手伝いするようにしました。
ヨーコ:まずはGIVEということですね。事業はGIVE & GIVEだと仰った先輩がいらっしゃったのですが、認識を新たにしました。
杉山:MAPづくり自体はコロナ禍でお休みしているのですが、MAPづくりで地域のお店とつながっていたことで、困窮家庭向けにお弁当を一食200円で販売する「こども弁当PROJECT」を実現できました。お店は地域のインフラになれる可能性を秘めていると思います。
ヨーコ:私たちも国分寺では地域のお店の方々との関係の中で親子の場づくりをしてきました。お店で働く方は日中にまちにいます。この意味は大きいと思っています。共働き時代の今、地域のお店は子どもたちが家以外の場所で顔見知りの大人に出会える、何かあったら立ち寄れるサードプレイスになるポテンシャルがあると思っています。小さい子どもと行きやすいお店の可視化プロジェクトも、対象は主に未就学児ですが、やがて小学生になり、子ども一人で過ごす時間が増えることを見越して、幼い頃に顔見知りになり安心できる場所を一つでも二つでも街の中に作っておく意味もあります。
杉山:可視化プロジェクトですが、お店にアプローチすることが難しいので、逆にお母さん達から推薦してもらうのはいかがですか。複数のお母さんの推薦があるという事実をもってお店にお話をすれば、何もなしで打診するよりもきっと話を聞いてもらいやすいのではないでしょうか。
ヨーコ:なるほど!座談会を企画をして、子育て当事者の方に情報提供してもらえたらよさそうですね。私たちは杉並区で知名度が全くないので、もしよかったらハイコラさんのお力をお借りして、座談会を企画して可視化プロジェクトを一緒にできないでしょうか。
杉山:いいですよ。阿佐ヶ谷だけでなく、国分寺や他の地域への広がりも想定しているなら企業協賛を得たり、全国に店舗がある大手企業と組めるといいですね。一緒に考えてみましょう。
ヨーコ:心強いです!これからよろしくお願いします。
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