【ブログ】進路決め(法人形態)〜どんな事業を誰とするか次第

*noteからの転載

NPO出願はして「結果待ち」状態なので、出願前を振り返ってみます。今日は法人形態をなぜNPOにしたのか。

選択肢はいろいろ

地域づくりから社会づくりへ、という思いは3年ほど前から持っていたのですが、はじめからNPO法人!と決めていたわけではありません。

任意団体からステップアップするときの進路は、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人などいろいろあります。そもそも任意団体のままであっても事業をやること自体はできるわけで、法人成りしないという選択肢もあるわけです。どれにしよう。。。

考える基準

よく聞く基準は「営利目的かどうか」、「事業内容を制限されたくないか」、「信用度よりも機動性を重視するか」あたりでしょうか。あとは「節税対策をしやすいか」ですかね。

節税対策というのは、私の場合はサラリーマンなので、利益が出る事業を個人事業のままでやっていると総合課税となります(つまり、給与所得と事業所得が同じ税率)。所得水準次第ですが、ざっくり言うと法人税率の方が低くなるのでお得ですよ、さらに自分や家族への給料も役員報酬で経費として所得から引けてお得、というお話。

でも大前提は数百万円の所得があること。とても規模感が違う。というわけで今の私の選定基準にはなりませんでした。やはり中身で決めなくては!

営利目的かどうか?

一見分かりやすいのですが、ソーシャルな事業だからといって事業である以上は継続的に価値を提供できることが大事だと思っているので、収益は当然必要なわけです。

ソーシャル・ビジネスという言葉もあるくらいですし、社会的なことを株式会社でやっている法人はたくさんあります。起業ラボでお世話になったエーゼロとか、コミュニティデザインでいつも動向が気になっているstudio-Lとか。studio-Lみたいに一人株式会社で仕事や活動で出会った人とプロジェクトベースで仕事をしながら関わり度合いに応じて収益を分配するのもいいな。Polarisさんのような非営利型株式会社もある。あら、株式会社いいじゃない。

機動性重視か?

ただ、株式会社は所有と経営が分離しているという原則があって、利益配分は出資額に比例させる必要がありますし、株主総会を開催し、決算情報は公開。その分、信用度はあるわけですが、法人運営にそれなりに手間と時間がかかりそうです。

その点、合同会社であれば所有と経営が一体、つまり事業をする人と会社を所有する人が一体。規模が大きくなく、仲間と一緒に事業をしようとする自分には自然な気がします。出資金額と関係なく、例えば関与度合いやプロジェクトへの貢献度などに応じて利益配分も決められますし、なんといっても意思決定を自分たちでできる。スピード感大事

でも聞いたことあまりないな、合同会社。大丈夫かな・・・。合同会社でパートナーと経営している友人に聞くと何の問題もない!とのこと。大きな取引や多額の投資や融資を受ける予定も当面はなさそうなので、株式会社である必要はなさそう。

ただ、「合同」という名前の通り、合同会社の社員は全員代表権をもちます。当時の私は仲間はいるけど、それぞれやりたい事も本業もあって、重なりはあっても言い出しっぺの私と同じだけの情熱と時間とお金を投じるという関係ではなかった。合同会社はそぐわないな。

決め手は分かりやすさ

合同会社で魅力を感じたスピードとソーシャルな事業という点では、一般社団法人が良いとしばらく思っていました。NPO法人よりも役員数は少なくていいですし、設立費用はかかりますが、早く法人設立ができる。活動内容に制限もなく、活動内容の外部開示も所轄官庁への報告義務もない。なんといってもNPO設立に必要な10人以上の社員というハードルもない!(一社)いいじゃないですか!

最終的になぜNPO法人にしたのか。多くの「法人成り」のテキストやネット記事に書かれているのは、収益事業のみが課税される税制優遇があることや助成金や補助金などの多さ。要するにお金関係ですね。

私の場合はお金というよりもむしろ決め手は他の人から見た時の分かりやすさでした。一般社団法人は色々な内容の法人がありますが、私が仕事でお付き合いがあるところは、同じ目的(共益)のためにお金や知恵、人員を出し合って一緒にがんばりましょうという形態。各企業が自社内だけではやりきれない共益をともに目指すために適切な組織だなと感じていました。

私の場合は、地域コミュニティ活動で出会ったモンテッソーリ教師の方から教わった「子どもは自ら育つ力があるから、そこを支えてあげるような関わりを大人がすることで子どもは自ら伸びていく」という考え方。それが自分の子育てを劇的に変えてくれた。あのときの「感謝と感動」を未来に受け継いでいきたい!という想いが事業の根っこにありました。

子ども達が家庭と地域で幼少期からたくさんの出会いと子どもなりの出番がある暮らし。近所のおっちゃん・おばちゃん(私たちは「まちのおや」と呼んでいます)がいる暮らし。今の時代らしいそんな暮らしができる場をデザインして、私たち大人が子どもができることや考え方を取り入れながらともに社会を作る仲間という関係性がある子どもにポジティブな社会を作りたい。

そういう社会を作るためには、行政にも企業にも応援してもらいたいですし、何よりそんな暮らしっていいよねと思う人に出会い、ともに作っていきたい。それには「NPOなんです」が一番違和感なくすっと理解してもらいやすい、そう思いました。

10人以上の構成員というNPOの要件は私にはある意味一番高いハードルに思えました。でも、こういう社会を作るためにNPOで事業をやりたい、一緒にゼロから一を生み出してほしいと声をかけ、賛同してくれた人が13人いたことは事業をはじめる上でとても心強いです。高いハードルを超えられたから前に進めそうだと思うことができ、今の自分には一番良かったんじゃないかと思える選択ができた気がします。


2021-10-13 | Posted in ブログComments Closed 

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