【ブログ】同じ船に乗る仲間探し
*noteからの転載
二人からのスタート
NPOを作ろう!と決めたけれど、一番ハードルに感じたのは「10人以上の賛同者」を集めること。正式にはNPO「社員(正会員)」を指します。
社員といってもNPOが雇用する人というわけではなく、NPOをともに作り、運営に参加し、方針を決めて活動をともにする人。
活動の趣旨にいいね!と賛同して一緒にやろう!と言ってくれる人が10人も集まらないような活動は、公益的な活動とは言えないでしょ、というわけです。
任意団体のときは主に4人で運営してきました。その運営メンバーもこのタイミングでそれぞれ自分の道を歩むことになり、一人になってしまっていました(涙)。
これまでずっと参加してくれていた方が運営メンバーに加わってくれて、とても心強かったですが、あと8人。
無理ゲーに思えた
友人・知人はほとんど現役世代。あるいは諸先輩方はご自分の経営や運営をしている方が多い。
趣旨に賛同をしてくれてイベントにスポットで参加やお手伝いに関わってくれることはあっても、仕事や生活の時間を割いてまで活動に参加し、しかもお金(会費)を出してほしいとは、普通に考えたらとても言い出しづらかったです。公的にも申請書類に名を連ねることになるわけですし。任意団体のときの気軽さとははるかに求める覚悟が違う・・・。
玉砕覚悟でアタック
じゃあどうするか。私がやったことは、少し疎遠になっていた方を含めてNPOという同じ船に乗ってもらえたら心強い、一緒に目的地を目指して旅をしたい!と思う方はアタックしようということ。相手ができそう・できなさそうはいったん置いておく。玉砕覚悟で。ダメでも近況報告ができたと思えばいい。
そもそもNPOにしようと思った理由の一つは、子育て当事者だけではない人に関わってほしいと思ったこと。子育てにまつわる多くの営みが「ママと子ども」に閉じていることに違和感を感じていました。
確かに、まちのおやこテーブルの活動は子育て真っ只中で感じた孤育てや「できない」自分に成り下がった悲しみや悔しさが活動を始めた原動力でした。同志を見つけた安心や喜びはありましたが、怒涛の子育て真っ只中の時期を過ぎた今だからこそ、気持ちは分かるし心の余裕もある今、できることをしたい。もっと子どもの存在や気持ちにポジティブな環境をまちや社会につくりたい。そのためには、男性も、若い方も、子育てしていない方も、おじいちゃん・おばあちゃん世代の方も、仕事で子どもに関わらない方も、社会の子どもを包摂する社会づくりに関わってほしい。よし、子どもに直接関わりがない人も、無理そうな人も船に乗ってほしい人は声をかけてみよう。
関わり方のレベルは人それぞれ
まずは、任意団体の活動によく来てくれていた人、たくさんの相談に乗ってくれた人、起業や事業化のために勉強・参加したセミナーの仲間の中からリストアップ。さらに、学生の時の知人・友人、会社の同僚で子どもの未来や教育、地域づくりに関心がありそうな人も思い浮かべ、リストを伸ばしました。
こういうビジョンを持ってます、これまでこんな活動をしてきました。こういうことがやりたいからNPOを作ります。●●さんと一緒にやりたいです。こんな趣旨のパワーポイント資料を作って、アポ取りしていきました。
資料の最後のページには、NPOの社員にならない場合も選択肢に含めて関わり方の関与レベルを作って、どのレベルで関わっていただけそうでしょうか?と聞きました。情報をフォローいただく心の賛同者のレベル1からNPOの役員のレベル7まで。
これは話を聞く方にはイメージしやすかったようで、お話ししやすかったです。賛同者が増えてきたら、他にこんな方が仲間に加わってくれる予定です、というページもつけました。どんな人が同じ船に乗るのか、活動の中身よりも活動を通じて面白い人と出会えることに関心を持つ方もいることを発見したので。
玉砕して分かったこと
決してうまくいった人ばかりではありません。無理、ちょっと違う、ピンとこない、自分のことで忙しい。久しぶりのせいか、お返事すらいただけなかったことも。
たくさんの人と話をして分かったことは、関わるかどうかの判断ポイントとして、関与のレベルのほかに関わり方の具体性について人によって求めるレベルが違うこと。分かりやすくいうとお断り理由として「自分が何をすればいいのかよく分からない、イメージできない」というもの。
NPOにしたときのコア事業の一つが「まちのおや」づくり。近所のおっちゃん・おばちゃんをアップデートするというコンセプトはあっても形がありません。ゼロから一を生み出そうという段階にあります。断られたのは、その段階に関わりたくないということ。
つまり「起業段階」に関わりたい人、事業になった後の「実行段階」に関わりたい人、うまくいっている事業を大きくして社会的インパクトを作っていく「普及段階」に関わりたい人がいるんだな。
玉砕すればこの年でもそれなりに落ち込みますが、少なくとも段階の違いであれば次の段階に移行したらきっと力を貸してくれるということ。と、前向きに考えて気を取り直して次の方にアタック。
それを繰り返して、13人(自分を含めて14人)の方に船に乗っていただけることになりました。まちのおやこテーブルの活動でご一緒してきた方、スキルフルな会社の同僚・元同僚、学生時代の先輩、起業セミナーをともにした方、プロボノきっかけの方、人生のメンターやパートナーなど。本職や年代、子どもの有無、子どもの年齢もさまざまな方が関わってくださり、とても、とても心強いです。いざ出航!