【レポート】オンライン子育ち講座:一人でできるように手伝って!知っておきたいモンテッソーリの子育ちの法則(20200726)
昨年、連続講座を開催し好評だった子育ち講座をオンラインで開催しました。オンラインイベントの開催は初めてだったのですが、みなさんのご協力のおかげで無事に終えることができました!
講師は、国際モンテッソーリ協会(AMI)公認教師で一般社団法人AMI友の会NIPPONの副理事長の深津高子さん。国分寺在住でいらっしゃいます。
今回は0歳から小学生以上のお子さんがいらっしゃる方まで、28名参加していただきました。申込者限定で後日録画配信を行うこともあり、安心して申し込めたと言ってくださった方もいらっしゃいました。乳幼児期は特に、自分の時間として決まった時間を取れないというのも悩みの一つですね。
モンテッソーリ教育と聞くと教材をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、おうちでできること、おうちでしかできないことがあるとのこと。
今回の講座では、「自立」についてより詳しくお話しいただき、おうちで実践できる具体的な例を挙げていただきました。
写真を見せていただきながらのお話だったのでとてもわかりやすく、自分の子どものことに置き換えやすかったです。
自立には「身辺的自立」、「精神的自立」、「知的自立」の3種類があり、おうちでできるのは自立の環境づくりです。
お話いただいた内容すべては書ききれないのですが、いくつかご紹介したいと思います。詳しく知りたい方は去年の子育ち講座のレポートもご参照ください
◎身辺的自立
意識するポイント
「ちょっと不便で楽しい生活」
「百の言葉で述べるよりも動きで見せる」
例として、買い物に行った時はジャガイモなどリュックに入れ持ってもらい、帰ってからの荷ほどきも一緒にすることでどこに何があるかなど、おうち中の物の所在を知ることにつながるとのこと。
クッキング(調理)も2歳くらいからでき、年齢に合わせてキャベツをちぎるなどできることがあります。
最後にお知らせさせていただきますが、この包丁や火を使うことだけが調理ではないということが驚きで、この驚きを皆さんと共有したいという思いで次回の調理イベントを開催します。
◎精神的自立
意識するポイント
「無条件に子どもをあるがまま受け入れること」
「子どもが没頭することは何かを観察する」
ママ以外にも楽しいことがあることを発見するチャンスを与える。また子どもの行動に対して「すごいね!」と簡単に褒めてしまいがちですが、そうすると子どもは次回から褒められる目的で行動する場合がある。「認める」語意を増やすこと。
例えば、お絵かきしているときの声がけは、「丸をたくさん書いたんだね」、「黒で書いたんだね」など、見たそのままを言葉にしてみるとよいとアドバイスをいただきました。
おっしゃるとおり、「すごいね」は簡単に言えてしまう言葉です。子どもを「観察」することが認める言葉のレパートリーを増やすことにつながりそうです。
◎知的自立
意識するポイント
「五感を使った原体験をする」
「生活の中で選択する体験をする」
五感で感じることは思考の土台になっているので幼ければ幼いほど本物に触れる方がよいとのこと。
自然の中に行かなくても、おうちの台所でも「冷たい!」「甘いね!」など五感体験はでき、本物の実体験がたくさんあると比較するストライクゾーンが増え、より自分の感性で「昨日より今日の方が寒いね」とか「これいつも団子より甘い」などと自分自身で判断できるようになるというお話には納得です。
「選択することは考えること。そして選んだ後の結末も体験し、小さな責任を意識してもらうこと」について、ご質問もあり、みなさん興味があるテーマだと思います。
例えとして、朝ごはんはパンにするかごはんにするか子どもに聞く話がありました。「ごはん!」と選択したものの、いざごはんを出されたら「やっぱりパンにする!」と言われた時どうするか。「パンが食べたくなったんだね。」と心変わりすることはあることをちゃんと認めますが、パンに変えることはしません。「じゃあお昼ご飯はパンにしようか」と次の機会にパンを選択できるように話をする、というお話でした。
最初は簡単にはいかないと思いますが、私の実体験で、このやり方で大人も子どもも慣れてくると自然と納得してくれるようになります(現在5歳)。
選ぶことで、よく考えるきっかけを与える。そして選んだ結末も体験することで子どもは責任を意識するようになるいうお話。最初は二択から始めて、知らないことは選択肢には入れないようにとポイントも教えていただきました。
講座後にすぐ実践してくださった方もいらっしゃいました。大泣きしていた2歳の子に声をかけ、自分で牛乳を注いでもらったら泣き止んだとのこと!講座で聞いたとおり子どもはそもそも自分でやりたがっているんだと発見するのは嬉しいものです。
ご夫婦で動画をご覧になってくださり、「子供に任せる&不自由なものの方が喜ぶというのが特に刺さり、早速食器棚にある子供用のものの位置を下げてみることにしました。」という参加者もいらっしゃいました。
「子どもを旅館のお客にしない。家族の一員にする」という高子さんの言葉は、大人が何でもやってあげるのではなく、子どもが自分で判断できるように「サポートすること」だと学びました。
大人ができること:
●子どもが一人でできる環境を作る(一人でできるテリトリーを作る・戻しやすい場所を作るなど)
●子どもの様子をよく見る・観察する(手や足の使い方、何に興味を持っているかなど)
●集中を妨げない(手や口を出さない)
●褒めるよりも認める
●子どもにやってほしいと願う姿を大人自身が見せる
大人から見たときに無理だと思うことでも、環境を作ることで思いの外できた!と感じることもあり、そのことを気づかせてくださった講座でした。
<次回イベントのお知らせ>
今回の子育ち講座は『子育て家庭が知っておきたい子どもの発達段階の活かし方「家事は最高の親子の時間」ブックレット作成に向けた講座開催と作成』の第一ステップとして実施しました。
子どもの自分でやりたい気持ちを家事を通して叶えることで、子どもが成長し、自立し、自律につながる。家事は最高の親子の時間!これを地域活動を通じて知り、家庭や地域で実践してきました。ぜひ多くの子育て中の家庭に知ってもらいたいという思いで企画しました。
子育ち講座で学んだことを家庭で実践するきっかけとなる調理イベントを実施します。包丁と火を使うだけが調理ではなく、子育ち講座のお話にもあった「皮をむく」「調味料を測る」ことも立派な調理の一部。
この部分にスポットを当てた調理イベントです。大人が当たり前にやってしまうところを少し見直して子どもができるパートを作り、実際に子ども達にやってもらい講師の方に解説していただきます!(何組かの親子にご参加いただき、撮影したものを見ながら解説していただくトークイベントの予定です)
ご興味ある方はぜひご参加ください!今回ご参加された方のおうち実践写真もお待ちしています!
調理イベントオンライン配信日について、詳細は後日ホームページ、Facebook等でお知らせします。
(ゆうこ)