【レポート】クルミドのこどもてつがく(20180620開催)
今日は待ちに待ったクルミドコーヒーでのこどもてつがくの日!申し込んでくれたのは、6年生5人、4年生3人、3年生2人。男子と女子はちょうど半々。
あいにくのお天気でしたがみんな元気に集まってくれました!
雨の日は、てつがくするには何だかぴったりな気がします。
10人揃ったところで、「クルミドのこどもてつがく」スタート!ファシリテーターは、まどそらのこどもてつがくでお馴染みの幡野雄一さん。
まずは、幡野さんから今日のルールの説明。
- 考えること
- 聞くこと
- 話すこと
- 自分に質問すること
- 「なんでそう思ったの?」と他人に質問すること
- ボールを持っている人だけが話すこと
- 他の人の意見を否定しないこと
- 話さなくても聞くだけでもよいこと
などなど。
続いて、フランス映画「小さな哲学者たち」の中から5歳児たちが愛について哲学しているシーンを10分ほど鑑賞しました。
「何について話していたかな?」
「愛について」
「問いにすると?」
「友達と恋人の違いは?」
映像をもとに、対話が始まります。
「じゃあ、今日ここで僕らは何について話そうか?みんなと話してみたい問いはある?」
- 大人の人は頭が良いのか
- 楽しく生きるってどういうこと?
- 平和な国とはどういう国か?
- 死ぬのってこわい?
- 偉い人ってどういうこと?
- いじめって何?
- なんで食べ物を食べると元気が出るの?
- なんで人間は服を着るのか?
- 嘘ってどういうこと?
- 地球はなんで丸いのか?
- 「人のせい」ってどういうことか?
次々とボールが周り、様々な問いが出てきました。その中から決まった今日の問いは、
「えらい人ってどういうこと?」
正しいことをしてる人が偉い
そもそも偉い人なんていない?
偉い人は大人?子どもでも偉い人はいるんじゃないか?
社長や総理大臣は偉い?
社長や総理大臣でも偉くない?
偉い人の中にもバカな人がいるんじゃないか?
社長になるまでがんばったのは偉いと思う。
リーダーシップがあるひとが偉い?
偉い人は目立ってるだけで、みんな人だし、偉いっていうのはないと思う。
「みんなが思う偉い人ってどんな人?」
→自分的は総理大臣も偉い人だけど、良いことをして、みんなが良い人だねって言う人。
→偉い人でも良い人と悪い人がいる。
→偉いって思うのはそれぞれ。みんなが思う偉い人ではなく、ひとりひとりが思う偉い人はいる。
「行動で、偉い人が決まるの?」「総理大臣や社長が偉いのはなんで?」
→テレビに出てると偉い感じがするから。
→みんなに知られていたり、偉いと言われているとそういう認識になる。
→ 偉い人が力で本当の真実を隠してることがあるかも?
「偉い人はいたほうがいいのか?いないほうがいいのか?」
→班長やリーダーは皆をまとめるひとで、偉い人ではないのでは。
→政治家はプレッシャーを背負ってるから偉い。
「偉い人がなんで悪い人に思えるのか?」
→ たとえば豊臣秀吉は農民だったのに天下をとって、本人は悪気なくても自分が偉くなると威張ってしまう。だから周りはいい存在に思えないのでは。
→ 国会で総理大臣が本当のこと言ってない。だから偉い人を悪い人だと思ってしまう。
などなど、まだまだ話しが止まらない子どもたちでしたが、この辺りでタイムアップ!名残惜しく、さよならの時間となりました。
後日談を寄せてくださったお母様方からの感想です。
答えがひとつじゃなくて、不正解がないし、だから好きに考えていいのが楽しいと話していました。「道徳の授業みたいに?」と聞いたら「道徳はやっぱり何となく答えがあるじゃん?だから違う。」ときっぱり。また参加したいそうです。
私が子どもと話して印象に残ったのは、「結論はでないんだよね」と聞いた時に、「うん、でないよ!」と。「だから何?」的な雰囲気だったこと。学校では、最近は道徳の授業までも正解を求められる世界にいて、正解や結論のない話し合いを自然に受けとめていることは、嬉しかったです。
「すっごく面白かった」と言ってました。「何が面白かった?」と聞いてもニヤニヤして教えてくれなかったのですが、「おもしろいからおもしろいの!また行きたい!」とのこと。
「ボールを持って話をするのが面白かった」とも。ちゃんと一人一人の話を聞いてくれるのが嬉しかったのかな?と思いました。「今日はどうだった?」と尋ねたら、「いっぱい考えて、途中、頭が爆発しそうになった。終わったらふぅ〜ってなった。」とのこと。私が「学校の授業より考えた?」と聞いたら、「授業は考えないもん」との答えでした。子ども自身が自分で考える良い機会を作ってくださってありがとうございました。
参加してくれた10人の小学生のみんな、どうもありがとう!
答えのない問いに向かう君たちの集中力、社会に対する感性や自由な発想に、こっそり聞いていた大人たちは驚きっぱなしでした。
ここで感じたこと、考えたことを、ひとりの時間のときにふと思い出してもらえたら嬉しいです。ご協力いただきましたクルミドコーヒーの影山さん、石川さん、本塩さん、どうもありがとうございました。
まちのおやこテーブルでは、これからも子どもたちが自ら問いを探し考える場をこの街の中で作っていきたいと思っています。
(文:コサカマサヨ)