【レポート】ぼくのわたしのサラダ 観察体験をしよう(20161208開催)
12月8日(木)夜。
大人11人、子ども16人がカフェスローに集まりました。
今回のテーマは「ぼくのわたしのサラダ~観察体験をしよう~」。
講師は子どもと考える力を育む時間をデザインするデザイナーのプロジェクトチーム「かんがえーる」です。
いつもより少し早めに集まり、18:30ちょうどにスタート。
エプロンと三角巾をつけた子ども達。
サラダ作りと聞いて来たものの、いったい何が始まるのか不思議そうな表情。
かんがえーるさんから、大人への約束として「大人は見守ること」を伝えられます。
こうしたら、ああしたらと言いたくなる口にはチャック(笑)。
大人も子どももチャレンジが始まります。
季節柄しっかり手を洗い、アルコール消毒で手をキレイにして集まると、
目の前にはカフェスローさんが用意してくれたカラフルなお野菜12種類。
キッチンスタッフのMさんが、いつものように子ども達にお野菜の説明をしてくださいます。
■サラダにご準備頂いた野菜
ノーザンルビー、シャドークィーン、男爵(以上じゃが芋)
さつま芋、紫芋
赤かぶ、赤ラディッシュ、ごぼう、人参
水菜、サニーレタス、グリーンリーフ
かたちや色を見ながら、子ども達は思い思いに盛り付けます。
今回は子ども達の半数近くが小学生。
Mさんの話を聞くうちに「やる気スイッチ」が入ったのか、
真剣な表情でトングを使って「野菜で絵を描く」ことに夢中。
あまりに夢中になりすぎて、
2歳、3歳児がモジモジしながら小学生や年長児の後ろでうろうろ。
「貸して」と言われても「まだ完成していない!」。
お手伝いではなくて、自分の作品を作る気持ちで 向き合っていることが分かりました。
そこで「小さい子が待っているよ」と 穏やかに呼びかけ人の深津高子さんが伝えると、
2歳児、3歳児にも出番が回ってきました。
盛り付けるだけでなく、「作品」に名前を付けるのが面白いところ。
「さっぱりサラダ」、「おいものサラダ」、「自分のサラダ」、
「家族のサラダ」、「サラダのでんしゃ」。
「アイスクリームのサラダ」というユニークなタイトルも。
完成した作品をテーブルに自分で運びます。
ドレッシングにもチャレンジ。
カフェスローさんが、黄色(柚子)とピンク(赤カブ)の 手作りドレッシングを用意してくれます。
イベント開始から約30分で、色とりどりの野菜をアレンジしたサラダが出来上がりました。
「いただきます!」。
サラダのほか、今晩のためにカフェスローさんがご用意くださったお食事は
お野菜たっぷりの身体に嬉しいごはんです。
- 赤と白のかぶとりんごのゆずマリネ
- ヤーコンと白菜の八角煮
- ごぼうとかぶの葉の玄米甘酒みそ炒め
- 車麩カツ
- 2種の玄米おむすび:塩/切干大根とごま
「ごちそうさま」の後は、大人と子どもの時間。
大人は食事と大人の飲み物を持ってテーブルに集まり感想をシェアしました。
かんがえーるさんからは、
「今日の観察体験は、子どもにとっては野菜を観察すること、
大人にとっては子どもを観察することだった」と種明かし。
参加者からは、様々な感想が聞かれました。
「生野菜は苦手で、特に人参は嫌いなはずなのに食べていた」
「サラダと聞いて、子どもは初めは興味を示さなかったが、自分で作ると聞いてそれなら行くと言ったので参加した。作品作りに没頭していた」
「いつも以上に落ち着いた時間が流れていて(子どもの集中具合に)驚いた」
野菜を食べることは苦手でも、自分の作品は愛おしくなるのかも知れませんね。
タイトル付けにも面白い観察があったようです。
「下の子は「自分のサラダ」。野菜が苦手な上の子は「家族のサラダ」。
自分は作ったが家族のためだよという気持ちが出ているのかも知れない。」。
タイトルを付けてから、サラダ作りを始めた子もいたそうです。
失敗しそうな時やこうすればもっとよくなると思う時、
つい手や口を出してしまいがちですが、観察することで見落としがちな発見もあるようです。
一方で、2歳児、3歳児に順番がなかなか回ってこなかった今日。
気づかないルールを穏やかに伝えることは必要なことを深津高子さんから学びました。
◆キッズスペース
深津高子さんが見守ってくれました。
窓に向かって小さい箱を裏返して自分の机に見立てて用意。
無理にシェアしなくてもよいコーナーで2歳児、3歳児は安心して自分の机でお絵かきなどを楽しみました。
一方、小学生はすごろくやボードゲーム。
参加者同士で競い合う姿が見られました。
初参加の子どもも同年代の子どもと溶け込み遊びに夢中になっていました。
一番慌ただしく、一番プッツンとなりやすくて、でも本当は会話を大事にしたい平日の夜。
大人も子どもも思い思いの時間を過ごすことができました。
平日夜の調理となると、時間的にも難しいのではないかと心配していましたが、
かんがえーるさんの、自分の作品を作って食べるというアイディアがはまり、
作品作りがお食事の準備にもなったことで、
時間的にも、子どもの満足という点でも上手くいきました。
2016年は今回で最後。
また来年もまちの大人とまちの子どもが緩やかにつながり、
自然な学びや成長がある場を続けていきたいと思います。